フルリモートの仕事へ転職する場合、退職はどう伝える?

フルリモートの仕事へ転職する場合、退職はどう伝える?

フルリモートの仕事へ転職する場合も、退職の伝え方は通常の転職と大きく変わりません。まずは直属の上司に「退職したい」という意思と退職希望日を伝え、転職先の詳細は必要な範囲だけ説明すれば十分です。

「フルリモートの会社へ移るから辞める」と必ず伝える必要はありません。働き方を理由として伝える場合も、現職への不満を強く言うのではなく、今後のキャリアや働き方の希望として説明すると話がまとまりやすくなります。

フルリモート転職による退職は、直属の上司に最初に伝える

退職の意思は、同僚や人事ではなく、原則として直属の上司に最初に伝えます。先に周囲へ話すと、上司が正式な相談を受ける前にうわさが広がり、引き継ぎや社内調整が進めにくくなるためです。

出社勤務であれば、会議室など周囲に聞かれにくい場所で時間を取ってもらいます。現在の職場がリモート中心なら、ビデオ通話で伝えても問題ありません。ただし、チャットだけで済ませず、まずは口頭で意思を伝え、その後に必要な書面やメールを提出します。

退職を伝えるタイミングは、転職先が決まってから

退職を伝えるのは、転職先の採用条件や入社日を確認し、転職すると決めた後が基本です。選考中に退職を申し出ると、転職先が決まらないまま退職日だけが近づく可能性があります。

伝える時期は、就業規則に定められた申出期限と、引き継ぎに必要な期間を確認して決めます。無期雇用の場合でも、民法上のルールや会社の手続きが関係するため、退職日を一方的に決めるのではなく、まず会社の規定を確認してください。

契約社員など期間の定めがある雇用契約では、契約期間の途中で退職できる条件が異なる場合があります。契約満了前に辞めたい場合は、雇用契約書や就業規則を確認し、必要に応じて人事へ相談しましょう。

退職理由は「フルリモートで働きたい」とそのまま伝えてよい

フルリモートで働きたいことが退職理由なら、事実として伝えて構いません。ただし、「出社したくない」「今の会社は時代遅れだ」といった否定的な表現よりも、働き方の希望や今後のキャリアに結び付けて説明する方が適切です。

たとえば、次のように伝えられます。

  • 「今後の働き方を考えた結果、場所にとらわれずに働ける環境へ移りたいと考え、退職を決めました」
  • 「今後はフルリモートの環境で、これまでの経験を生かしながら新しい業務に挑戦したいと考えています」
  • 「働く場所と業務内容の希望を見直した結果、転職を決断しました」

現在の会社が出社とリモートを組み合わせた働き方であっても、「フルリモートで働きたい」という希望が合わないなら、無理に会社への不満を詳しく説明する必要はありません。

退職を伝えるときの基本的な順番

退職の話では、理由を長く説明するよりも、退職の意思と希望日を先に伝えることが大切です。次の順番で話すと、内容がぶれにくくなります。

  1. 退職の意思を明確に伝える
    「退職したいと考えています」ではなく、「退職を決めました」と、決意であることが分かる表現を使います。
  2. 退職希望日を伝える
    就業規則や引き継ぎ期間を確認したうえで、希望する最終出社日や退職日を伝えます。
  3. 理由を簡潔に説明する
    フルリモートで働きたいことや、転職によるキャリアの方向性を1〜2文で説明します。
  4. 引き継ぎに協力する意思を示す
    担当業務の一覧化や資料作成など、退職日までに対応する内容を伝えます。
  5. 会社の手続きと今後の進め方を確認する
    退職届の提出時期、最終出社日、有給休暇、貸与品の返却などを確認します。

そのまま使える退職の伝え方

対面やオンラインの面談では、次のように伝えられます。

「お時間をいただきありがとうございます。突然で申し訳ありませんが、退職を決めました。今後の働き方を考えた結果、フルリモートで働ける環境へ転職することにしました。退職希望日は〇月〇日です。退職日までに担当業務を整理し、引き継ぎに支障が出ないよう対応します。今後の手続きについてご相談させてください。」

転職先の会社名や業務内容を聞かれた場合は、答えられる範囲で説明します。詳しく話したくないときは、次のように伝えても問題ありません。

「転職先は決まっていますが、勤務先の詳細については現時点では控えさせてください。引き継ぎや退職手続きについては、必要な情報をきちんとお伝えします。」

ただし、転職先との守秘義務や競業避止に関する取り決めがある場合は、現職と転職先の双方の契約を確認してください。

フルリモート勤務を理由にするときの注意点

現在の会社を否定する言い方は避ける

フルリモートへの転職を希望していても、現在の会社や同僚を批判する必要はありません。退職理由を「出社が多くて嫌だから」とだけ伝えると、感情的な不満として受け取られることがあります。

「集中して働ける環境を選びたい」「今後の生活や働き方に合う勤務形態を希望している」など、主語を自分に置いて説明すると、対立を避けやすくなります。

本当の理由と違う説明を作らない

退職を引き止められたくないからといって、家族の事情や健康上の問題など、事実ではない理由を作るのは避けましょう。後から説明が食い違うと、上司や同僚との信頼関係を損なうおそれがあります。

詳しい理由を話したくない場合は、「一身上の都合」や「今後のキャリアを考えた結果」と簡潔に伝える方法があります。退職理由をすべて説明する義務があるとは限りません。

「フルリモートなら残る」と言われた場合

現職からフルリモート勤務や条件変更を提案されても、転職の意思が変わらないなら、丁寧に断ります。曖昧に返事をすると、退職を撤回したと受け取られる可能性があります。

「ご提案いただきありがとうございます。ただ、勤務形態だけでなく、今後取り組みたい業務やキャリア全体を考えて転職を決めています。予定どおり退職の手続きを進めたいです」と伝えると、理由を広げずに意思を示せます。

リモートで退職を伝えるときに準備すること

オンラインで伝える場合は、面談前に退職希望日と説明内容を整理しておきます。話している途中で通信が切れた場合に備え、連絡手段も確認しておくと安心です。

  • 退職希望日と最終出社日
  • 転職理由を説明する短い文章
  • 現在担当している業務と進捗
  • 引き継ぎが必要な相手と期限
  • 会社から借りているパソコンや備品
  • 退職届の提出方法と提出期限

退職の話をした後は、会社から案内された方法で退職届や必要書類を提出します。面談後に「本日、退職についてご相談したとおり、退職希望日は〇月〇日です」とメールで確認を残しておくと、伝達内容を整理できます。ただし、メールを送るだけで会社所定の手続きが完了するとは限りません。

引き継ぎではフルリモートでも分かる形に整理する

フルリモートの転職では、最終出社日に口頭で説明できないことがあります。そのため、業務の進め方を文書や共有ファイルにまとめ、後任者が離れた場所から確認できる状態にしておくことが重要です。

引き継ぎ資料には、少なくとも次の内容を入れます。

  • 業務の目的と担当範囲
  • 毎日・毎週・毎月の作業
  • 作業の手順と使用するシステム
  • 取引先や社内関係者の連絡先
  • 現在進行中の案件と期限
  • トラブルが起きた場合の確認先
  • 保存場所やファイル名のルール

パスワードや個人情報を引き継ぐ場合は、会社のセキュリティルールに従います。メールやクラウドに個人データを残したり、転職先へ業務資料を持ち出したりしないよう注意してください。

退職を伝えた後に確認すること

退職の意思を伝えた後は、次の項目を人事や上司に確認します。退職日や手続きの条件は会社や雇用契約によって異なるため、口頭の印象だけで判断しないことが大切です。

  • 退職日と最終出社日
  • 残っている有給休暇の扱い
  • 退職届などの提出書類と期限
  • 健康保険や年金などの切り替えに必要な書類
  • 貸与パソコン、スマートフォン、社員証、鍵などの返却方法
  • アカウントやデータの利用終了時期
  • 退職後の問い合わせ窓口

転職先がフルリモートであっても、入社時の勤務場所、機器の受け取り方法、通信環境の条件などは別途確認が必要です。退職手続きと転職先の勤務条件を混同せず、それぞれの会社から案内された内容に沿って進めます。

フルリモート転職の退職の伝え方で迷ったら

最初に伝える内容は、「退職を決めたこと」「退職希望日」「理由は働き方やキャリアを見直したこと」の3点で十分です。転職先の会社名や詳細は、守秘義務や自分の希望に応じて必要な範囲だけ説明します。

退職を伝える前に、就業規則と雇用契約を確認し、直属の上司と話す時間を確保してください。そのうえで、退職日までの引き継ぎと会社指定の手続きを、記録が残る形で進めましょう。