リモートワークの経験は、職務経歴書の「職務内容」や「実績」の中に、勤務形態だけでなく、担当業務・使用ツール・成果と合わせて書きます。単に「リモートワークをしていました」と記載するより、どの程度の頻度で、どのように仕事を進め、何を実現したかを示すと、採用担当者が働き方を具体的にイメージできます。
リモートワークの経験は職務経歴書のどこに書く?
基本的には、各職歴の「職務内容」または「業務内容」の項目に記載します。リモートワークそのものが応募先で重視される場合は、「活かせる経験・スキル」や「自己PR」にも、仕事の進め方や成果を補足します。
職務経歴書では、次の順番で書くと分かりやすくなります。
- 雇用形態や在籍期間
- リモートワークの実施状況
- 担当した業務
- 使用したツールや連絡方法
- 成果や工夫した点
職務経歴書に書くリモートワーク経験の基本項目
リモートワークについては、次の項目を確認できる範囲で記載します。すべてを詳しく書く必要はありませんが、応募先の仕事内容に関係する情報を優先してください。
| 項目 | 記載内容の例 |
|---|---|
| 勤務形態 | フルリモート、週3日在宅勤務、月数回の出社など |
| 勤務期間 | 2022年4月から2025年3月までなど |
| 業務内容 | 顧客対応、資料作成、システム開発、チーム管理など |
| 連絡・管理方法 | オンライン会議、チャット、タスク管理ツールなど |
| 工夫や成果 | 情報共有の改善、納期遵守、対応件数、業務時間の短縮など |
勤務頻度やツール名は、実際に使っていた内容だけを書きます。会社の制度としてリモートワークを利用していたのか、必要に応じて在宅勤務をしていたのかも、事実に合わせて区別しましょう。
職務経歴書への書き方の例
リモートワークの経験は、職務経歴の中に次のように組み込めます。
例1:週数回の在宅勤務をしていた場合
勤務形態:週3日程度の在宅勤務、週2日程度の出社
業務内容:法人顧客への問い合わせ対応、見積書・提案資料の作成、社内関係部署との調整を担当。オンライン会議とチャットを使い、進捗や対応状況を共有した。
工夫した点:問い合わせ内容をタスク管理ツールに記録し、担当者と期限を明確にすることで、在宅勤務中も対応漏れが起きないようにした。
例2:フルリモートでチーム業務を担当した場合
勤務形態:フルリモート
業務内容:オンラインでの顧客打ち合わせ、議事録作成、社内メンバーへの情報共有、納品までの進行管理を担当。チャット、オンライン会議、クラウド上の共有ファイルを使って業務を進めた。
工夫した点:打ち合わせ後に決定事項と担当者、期限を整理して共有し、メンバーが別々の場所で働いていても認識をそろえられるようにした。
例3:リモートワークで成果を数値化できる場合
勤務形態:週4日の在宅勤務
業務内容:自社サービスのカスタマーサポートを担当。メールとチャットによる問い合わせ対応、対応履歴の入力、FAQの更新を行った。
実績:問い合わせ内容を分類してFAQを見直し、チーム内で共有。担当期間中は、1日あたり約○件の問い合わせに対応した。
数値を使う場合は、実際の記録に基づくものだけを記載します。会社の機密情報にあたる場合は、具体的な売上額や顧客名を出さず、「対応件数を月○%増加させた」「処理時間を約○時間短縮した」のように、開示できる範囲で表現します。
リモートワークで評価されやすい経験の伝え方
採用担当者が知りたいのは、在宅勤務をした事実だけではなく、離れた場所でどのように業務を安定して進めたかです。次のような行動があれば、担当業務や成果と結び付けて記載できます。
- 作業の進捗や問題点を、早めに共有した
- チャットやメールで要点を整理して連絡した
- オンライン会議の前に資料や論点を準備した
- タスクの期限や担当者を明確にした
- 対面で確認できない内容を文書に残した
- 勤務時間や優先順位を管理し、納期を守った
- チームメンバーと定期的に情報を共有した
たとえば「コミュニケーション能力がある」とだけ書くより、「毎朝の進捗共有で作業予定と問題点を伝え、担当案件の遅延を防いだ」と書くほうが、実際の行動が伝わります。
使用ツールは応募先に関係するものを選んで書く
リモートワークで使用したツールは、応募先の業務に関係するものを中心に記載します。ツールを使った経験だけでなく、何のために使ったかも添えると、実務経験として伝わりやすくなります。
| 用途 | 記載例 |
|---|---|
| オンライン会議 | Zoom、Microsoft Teams、Google Meetでの社内外の打ち合わせ |
| チャット | Slack、Microsoft Teamsでの進捗共有と問い合わせ対応 |
| ファイル共有 | Google Drive、SharePointなどを使った資料管理 |
| タスク管理 | Trello、Backlog、Asanaなどを使った案件管理 |
使用経験が浅いツールを、使いこなせるように見せる必要はありません。「会議への参加」「議事録の共有」「タスクの登録」など、どの程度使ったかを正確に書きましょう。
リモートワークの経験が浅い場合の書き方
在宅勤務の期間が短い場合でも、実際に担当した業務と、リモート環境で行った具体的な作業を書けば問題ありません。リモートワークの年数を大きく見せるより、業務の進め方を正確に伝えることが重要です。
たとえば、次のように書けます。
「繁忙期に月数回の在宅勤務を経験。オンライン会議への参加、クラウド上での資料作成、チャットでの進捗報告を行った。担当業務の期限と確認事項を一覧化し、出社時と同じスケジュールで納品した。」
研修や引き継ぎだけをリモートで受けた場合は、通常の実務経験と混同しないように、「リモートで研修を受講した」「オンラインで引き継ぎを受けた」と書き分けます。
リモートワーク経験を書くときの注意点
勤務形態だけで職務内容を終わらせない
「フルリモート勤務」とだけ書くと、何を担当していたのか、どのように成果を出したのかが分かりません。勤務形態は職務内容の補足として使い、担当業務や成果を必ず続けて書きます。
会社の制度と実際の勤務状況を区別する
会社に在宅勤務制度があっても、自分が実際には利用していなかった場合、「リモートワーク経験あり」とは書けません。一方、制度名がなくても、実際に自宅から業務を行っていたなら、その事実を勤務状況として説明できます。
「一人で働ける」とだけ強調しない
リモートワークでは自己管理が必要ですが、業務の多くはチームとの連携を伴います。「人と関わらずに働ける」と受け取られる表現より、報告、相談、情報共有をどのように行ったかを示すほうが適切です。
応募先の勤務条件と混同しない
過去にリモートワークをしていたことは、応募先でも同じ働き方ができることを意味しません。応募先の勤務日数、出社頻度、勤務地などの条件は、求人票や採用担当者への確認を通じて別に判断します。
自己PRに書く場合の例文
リモートワークでの働き方を強みとして伝える場合は、自己PRで「経験」「工夫」「結果」の順にまとめます。
「前職では週3日程度の在宅勤務を行い、顧客対応と社内調整を担当しました。対面での確認ができない状況でも認識のずれが生じないよう、打ち合わせ後に決定事項、担当者、期限を整理して共有していました。その結果、担当案件の進捗を安定して管理できました。今後も、状況を整理して早めに共有することを意識し、チームで連携しながら業務を進めます。」
この例文は、実際の業務や成果に合わせて書き換えてください。自分が行っていない工夫や、確認できない成果を加えると、面接で説明できなくなる可能性があります。
書く前に確認するポイント
- リモートワークを行った期間と頻度は正確か
- 在宅勤務と出社勤務の割合を説明できるか
- リモート環境で担当した業務が具体的になっているか
- 使用したツールと用途が一致しているか
- 成果や工夫を、事実に基づいて説明できるか
- 会社の機密情報や個人情報を記載していないか
- 応募先の仕事内容に関係する内容を優先しているか
リモートワークの経験は、勤務形態だけでなく、離れた場所でも業務を進めた方法と、その結果まで書くと伝わりやすくなります。まずは職務経歴書の各職歴に「勤務形態」「担当業務」「使用ツール」「工夫・実績」を追加し、事実に基づいて整理しましょう。







