在宅勤務でも交通費が支給されるかどうかは、法律で一律に決まっていません。会社の就業規則や賃金規程、雇用契約の定めによって異なります。在宅勤務の日数、出社した日の交通費の扱い、定期券を継続するかどうかも確認が必要です。
在宅勤務の交通費は会社の規程で決まる
通勤手当や交通費は、すべての会社に支給が義務付けられているものではありません。そのため、在宅勤務になったことだけを理由に、支給されるとも、必ず停止されるともいえません。
会社が交通費を支給している場合は、次のような規程で扱いが決められていることがあります。
- 通勤定期券の代わりに、出社した日の実費を支給する
- 在宅勤務の日数に応じて、通勤手当を減額する
- 出社日数にかかわらず、これまでどおり定期代を支給する
- 一定日数以上の出社を条件に、定期代を支給する
- 交通費を支給せず、必要な出社時の費用だけを精算する
したがって、まず確認するのは「在宅勤務をするか」ではなく、自分の会社の通勤手当・在宅勤務に関する規程がどうなっているかです。
在宅勤務の日に出社しない場合、交通費はどうなる?
在宅勤務の日に自宅で勤務し、会社へ移動していない場合、その日の通勤にかかった交通費はありません。そのため、出社日ごとの実費精算に変更された会社では、在宅勤務日の交通費は支給されません。
一方で、月額の通勤手当として定額を支給する規程であれば、在宅勤務日があっても支給が続く場合があります。ただし、定期券の利用を前提にした規程や、出社日数に応じて支給額を変える規程では、支給額が変わることがあります。
| 会社の制度 | 在宅勤務日の交通費の扱い |
|---|---|
| 出社日の実費精算 | 在宅勤務日は通常、支給対象にならない |
| 月額の通勤手当 | 規程により、継続・減額・停止などが分かれる |
| 定期券代を支給 | 定期券の継続条件や出社日数の基準を確認する |
| 交通費を支給しない制度 | 会社が別途認めた出社費用だけ精算する場合がある |
在宅勤務中に会社へ行った交通費は支給される?
在宅勤務中の出社交通費が支給されるかどうかも、会社の規程によって決まります。たとえば、在宅勤務を基本とし、会社から出社を指示された場合だけ交通費を実費精算する制度なら、支給対象になる可能性があります。
ただし、出社が必要になったからといって、必ず会社が交通費を負担するとは限りません。次の点を確認してください。
- 出社指示による移動か、自分の判断による任意の出社か
- 自宅から会社までの交通費が精算対象に含まれるか
- 申請期限や申請方法が決められているか
- 経路や交通手段に上限があるか
- 通勤手当と出張旅費のどちらで処理するか
特に、在宅勤務者が自分の都合で会社へ行った場合は、業務上必要な移動として扱われないことがあります。出社前に上司や総務へ、交通費の扱いを確認すると確実です。
定期券代と実費精算はどちらになる?
在宅勤務の日数が多い場合、会社が通勤定期券の支給をやめ、出社した日の交通費を実費精算する制度に変更することがあります。反対に、一定日数以上の出社がある場合は、定期券のほうが合理的として従来の制度を続けることもあります。
たとえば、月20日出社を前提にした制度から、月8日だけ出社する制度へ変わった場合でも、実際にどちらが有利かは、定期券の金額、片道運賃、出社日数によって異なります。
仮に片道500円で月8日出社する場合、往復の実費は次の計算になります。
500円×往復2回×8日=8,000円
これは計算例であり、実際の支給額を示すものではありません。会社が定める上限額、最安経路、定期券の期間などによって支給額は変わります。
在宅勤務の交通費を確認する方法
自分の支給条件を判断するには、次の順番で確認します。
- 就業規則、賃金規程、在宅勤務規程を確認する。
- 「通勤手当」「交通費」「テレワーク」「在宅勤務」「出社時の精算」などの項目を探す。
- 定期券代の支給か、出社日の実費精算かを確認する。
- 在宅勤務日、出社指示、任意出社のそれぞれが支給対象か確認する。
- 不明な場合は、総務や人事に「在宅勤務日に出社した場合の交通費は、どの方法で申請しますか」と具体的に尋ねる。
給与明細だけでは、交通費の制度や変更条件まで分からないことがあります。支給額が変わった場合は、変更の開始月と適用される勤務形態も確認してください。
在宅勤務手当があれば交通費は不要?
在宅勤務手当と交通費は、通常は別の費用です。在宅勤務手当は、通信費や電気代など、在宅で働くことによって発生する費用の補助として支給されることがあります。一方、交通費は通勤や業務上の移動にかかる費用です。
ただし、会社が在宅勤務手当と交通費をまとめて制度設計している場合もあります。「在宅勤務手当があるから交通費は支給されない」とは限らないため、両方の規程を確認する必要があります。
支給されない場合に確認したいこと
交通費が支給されないことに疑問がある場合は、まず雇用契約書、就業規則、賃金規程を確認します。そこに通勤手当の支給条件が書かれている場合は、現在の勤務形態が条件を満たしているかを照らし合わせます。
規程に「実費支給」と書かれていても、対象となる移動、申請期限、上限額が別に定められていることがあります。規程だけで判断できない場合は、次の内容を整理して人事・総務へ確認しましょう。
- 在宅勤務をした日
- 会社へ出社した日
- 出社の理由が会社からの指示かどうか
- 利用した交通機関と金額
- 交通費を申請したか、申請できなかった理由
なお、会社の規程や契約内容によって結論が変わるため、在宅勤務者全員に同じ扱いが適用されるとは限りません。在宅勤務の交通費は、就業規則や雇用契約で定められた支給条件と、実際に出社した日数・理由を確認して判断します。







