フルリモート求人でも、試用期間中だけ出社勤務になるとは限りません。原則として、試用期間中も求人や雇用契約で示された勤務場所・勤務時間・給与などの条件が適用されます。
ただし、試用期間だけ研修や面談のために出社を求める会社もあります。フルリモートが試用期間中も適用されるかは、求人票だけでなく、労働条件通知書や雇用契約書、就業規則の内容で判断してください。
試用期間中もフルリモートになるのが基本
試用期間とは、採用後に仕事への適性や勤務状況を確認する期間です。試用期間だからといって、通常の雇用契約とは別の働き方になると決まっているわけではありません。
たとえば、契約上の勤務場所が「自宅」や「会社が認めた場所」となっている場合、試用期間中もその条件で勤務するのが一般的です。一方で、勤務場所に「会社の指定する場所」「本社および自宅」などと書かれていれば、研修や業務上の必要に応じて出社を求められる可能性があります。
試用期間中に変わる可能性がある条件
フルリモート求人の試用期間では、勤務場所そのものよりも、研修方法や評価の進め方が変わることがあります。主に次の点を確認しましょう。
| 確認項目 | 試用期間中に確認する内容 |
|---|---|
| 勤務場所 | 自宅のみか、研修・面談時に出社が必要か |
| 出社の頻度 | 毎日、特定の期間だけ、必要時のみなどの条件 |
| 給与 | 本採用後と同額か、試用期間中だけ異なる金額か |
| 勤務時間 | 始業・終業時刻、休憩時間、フレックスタイムの利用可否 |
| 評価方法 | オンライン面談、成果物、勤務状況など何を評価するか |
| 福利厚生 | 手当、在宅勤務手当、社会保険、休暇の扱い |
これらの条件が試用期間中だけ異なる場合は、会社から事前に説明され、労働条件通知書などで確認できる状態になっていることが重要です。
試用期間だけ給与が低くなることはある?
試用期間中の給与を本採用後より低く設定すること自体は、直ちに違法とは限りません。ただし、金額や適用期間が事前に明示され、最低賃金を下回らないなど、法令に沿っている必要があります。
求人票に「月給30万円」と書かれているのに、入社後になって「試用期間中は月給25万円」と説明された場合は、求人票、雇用契約書、労働条件通知書の記載を比較してください。給与が異なる場合は、次の点を会社に確認します。
- 試用期間中の基本給はいくらか
- 試用期間は何か月か
- 固定残業代や手当が含まれるか
- 本採用後に給与がいくらになるか
- 給与が変わる条件や時期は何か
「試用期間だから給与が下がる」と一律に決まっているわけではありません。求人情報に記載がない条件を、入社後に一方的に追加できるかどうかは、契約内容や説明の経緯によって異なります。
試用期間だけ出社を求められる場合の判断
試用期間中の出社が認められるかは、勤務場所に関する契約や会社のルールに、出社の余地があるかで判断します。
出社が想定されやすいケース
- 求人票に「研修期間は出社」と記載されている
- 勤務場所が「本社および在宅」などと定められている
- 入社時研修や機器の受け渡しを対面で行うと説明されている
- 就業規則やテレワーク規程に、会社が出社を指示できる条件がある
確認が必要なケース
- 求人票には「フルリモート」とあるが、契約書の勤務場所が曖昧
- 面接では出社不要と説明されたのに、入社後に出社を求められた
- 「原則在宅」「基本リモート」など、例外の範囲が分からない
- 出社先が遠方で、交通費や宿泊費の扱いが説明されていない
「フルリモート」という言葉だけでは、入社時の手続きや年に数回の出社まで含めて禁止しているのか分からないことがあります。応募前に、試用期間中の出社回数、出社の目的、交通費の負担者を具体的に質問しましょう。
試用期間中の労働条件を確認する方法
入社を決める前に、次の順番で確認すると、フルリモートの範囲を判断しやすくなります。
- 求人票を保存する。「フルリモート」「完全在宅」「研修中は出社」などの記載を、応募時点の画面やPDFで残します。
- 面接で試用期間中の勤務場所を聞く。「試用期間中も自宅勤務ですか」「研修や面談で出社する日はありますか」と具体的に確認します。
- 労働条件通知書を確認する。勤務場所、業務内容、給与、勤務時間、契約期間などが求人内容と一致しているか見ます。
- 就業規則やテレワーク規程を確認する。出社命令の条件、自宅以外で働ける場所、通信費や機器の負担を確認します。
- 不明点は書面で確認する。口頭説明だけでなく、メールなどで試用期間中の条件を確認し、回答を保存します。
特に「フルリモート」の定義は会社によって異なります。「原則として在宅」なのか、「出社が一度もない」なのかを分けて確認することが大切です。
試用期間中でも雇用契約上の保護はある
試用期間中も、通常は会社と労働者の雇用契約が成立しています。試用期間だからといって、給与の支払い、労働時間の管理、最低賃金などの基本的なルールがなくなるわけではありません。
一方、試用期間には、本採用後よりも会社が適性を判断できる範囲が広いとされる面があります。ただし、会社が自由に解雇できるという意味ではありません。解雇の理由や手続きには、労働契約法や労働基準法などのルールが適用されます。
試用期間の延長や本採用拒否についても、契約書に書かれた条件、延長の理由、会社からの説明などによって判断が変わります。条件に納得できない場合は、記録を残したうえで、地域の労働相談窓口などに相談してください。
フルリモート求人に応募する前の確認ポイント
応募前には、次の質問に具体的な回答があるか確認しましょう。
- 試用期間中も自宅から勤務できるか
- 研修、入社手続き、面談で出社する予定があるか
- 出社がある場合、回数、場所、期間は決まっているか
- 交通費、宿泊費、在宅勤務に必要な機器の費用は誰が負担するか
- 試用期間中の給与、手当、勤務時間は本採用後と同じか
- フルリモートの対象地域に制限があるか
- 会社から出社を求められる条件が規程に定められているか
回答が「基本的には在宅」「必要に応じて出社」だけの場合は、必要な出社がどのような場合を指すのかを追加で聞くと、入社後の認識違いを減らせます。
フルリモート求人の試用期間中も、勤務場所や給与が自動的に変わるわけではありません。試用期間中の出社、給与、研修条件が別に定められているかを、求人票と労働条件通知書で照合することが判断のポイントです。







